自動車部品工場での外国人雇用|特定技能は雇用できる?

様々な製造分野で、特定技能「外国人」の活用がすすむ中で、自動車部品工場で特定技能外国人雇用することができるか?と非常に多くの質問をいただくので、本日は、そちらについて解説していきます。
特定技能「製造業」の特徴|日本標準産業分類
特定技能「製造業」の特徴は、日本標準産業分類に則って、非常に細かく受け入れ可能な工場が定められている点です。
具体的には、以下に記載のある製品を製造する事業所しか、特定技能外国人を雇用することができなくなっているのです。
日本標準産業分類(特定技能受け入れ可能な製造業)
2194 鋳型製造業(中子を含む)
225 鉄素形材製造業
235 非鉄金属素形材製造業
2422 機械刃物製造業
2424 作業工具製造業
2431 配管工事用附属品製造業(バルブ、コックを除く)
245 金属素形材製品製造業
2462 溶融めっき業(表面処理鋼材製造業を除く)
2464 電気めっき業(表面処理鋼材製造業を除く)
2465 金属熱処理業
2469 その他金属表面処理業(ただし、アルミニウム陽極酸化処理業に限る。)
248 ボルト・ナット・リベット・小ねじ・木ねじ等製造業
25 はん用機械器具製造業(ただし、2591消火器具・消火装置製造業を除く。)
26 生産用機械器具製造業
27 業務用機械器具製造業(ただし、274医療用機械器具・医療用品製造業、276武器製造業を除く。)
28 電子部品・デバイス・電子回路製造業
29 電気機械器具製造業(2922内燃機関電装品製造業を除く。)
30 情報通信機械器具製造業
3295 工業用模型製造業
こちらの記事では、日本標準産業分類について具体例を交えながら紹介しておりますので、興味ある方はご参照ください。
自動車部品の分類(中分類31-輸送用機械器具製造業)
自動車部品は、主に「31輸送用機器具製造業」に分類されているため、基本的には「特定技能」外国人を雇用することはできません。
しかし、一部の分野では、受け入れることは可能となっています。
以下、Q &A形式で、自動車部品の具体例と分類を紹介しましたので、ご確認ください。

- 自動車部分品及び附属品を製造
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認められません。産業分類3113自動車部分品・附属品製造業 に該当します。(※主な製品は,自動車エンジン並びにその部分品,ブレーキとその部分品,クラッチ車軸,ラジエータ,デファレンシャルギヤ,トランスミッション,車輪,窓ふき,オイルフィルタ,オイルストレーナのような他に分類されない部分品,附属品類)
ただし、自動車用ガラスを製造する事業所は中分類21[2112]、自動車用スタンプ加工品を製造する事業所は中分類24[245]に,ヘッドライトを製造する事業所は中分類29[2942]、蓄電池を製造する事業所は中分類29[2951]にそれぞれ分類されるため認められる可能性があります。
こちらに記載のある部品を製造している場合は、基本的に認められないので、自社が製造している部品がどの産業分類に該当するのか、改めて確認する必要があります。
- 自動車のバンパー・ダッシュボード・ホイールキャップなどのプラスチック部品を製造
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認められません。産業分類1832 輸送機械器具用プラスチック製品製造業に該当します。
- 自動車タイヤ・チューブ製造
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認められません。産業分類1911自動車タイヤ・チューブ製造業 製造業に該当します。
- 自動車用の金物製造
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認められません。産業分類2429その他の金物類製造業に該当します。
- アルミニウム、アルミニウム合金の打ち抜き又はプレス加工された自動車車体あるいは部品の製造
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認められる可能性があります。産業分類2451 アルミニウム・同合金プレス製品製造業 に該当する可能性があります。
- アルミニウム,アルミニウム合金以外の金属の打抜き又はプレス加工された自動車車体あるいは部品の製造
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認められる可能性があります。産業分類2452 金属プレス製品製造業 に該当する可能性があります。
- 自動車用スターターモータ、発電機、点火用コイル、ディストリビュータ、充電機、磁石発電機、点火せん及び点火せん用結線装置の製造
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認められません。産業分類2922 内燃機関電装品製造業 に該当します。
- 自動車用電球の製造
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認められる可能性があります。産業分類2941 電球製造業 に該当する可能性があります。
- 自動車用のヘッドライト・ウィンカーの製造
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認められる可能性があります。産業分類2942 電気照明器具製造業
- 自動車の完成品及び自動車シャシーの製造、組み立て
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認められません。産業分類3111 自動車製造業 に該当します。
- 自動車車体の製造、シャシーの組み付け
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認められません。産業分類3112 自動車車体・付随者製造業 に該当します。(※ただし、自動車用の鍛造品及びプレス加工車体附属品,部分品を製造する事業所は金属の種類によって中分類24[2451又は2452]に分類されるため、認められる可能性があります。)

良くある質問(経済産業省HPから抜粋)
つづいて、「自社で製造しているものが特定技能で認められるか」、その該当性の判断について、経済産業省が「良くある質問」で紹介していましたので、自動車部品に関する部分のみ抜粋してご紹介いたします。
- 当社は自動車関係のプレス製品を製造した後、溶接加工により、組み立てを行っています。日本標準産業分類245金属素形材製品製造業に該当しますか。
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該当しません。245金属素形材製品製造業(2451・2452)における「プレス製品」及び「金属プレス製品」とは、金型を用いたプレス機にて、金属板を打ち抜き・加工した打ち放しの「自動車部品」や「機械部品」などの製品を指します。プレス製品を溶接加工により組み立てた製品は含まれません。例えば、プレス製品を溶接加工により組み合わせて自動車関係の製品を製造している場合、3113自動車部分品・附属品製造業に該当すると判断します(中分類31輸送用機械器具は対象外となります)。
- 当社は自動車車体部品のプレスを行っています。日本標準産業分類245金属素形材製品製造業に該当しますか。
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自動車車体部品(ドアパネル、ボンネット等)であっても、スタンプ加工(プレス加工-機械仕上げをしないもの)は245金属素形材製品製造業(2451・2452)に該当しますが、スタンプ加工品(プレス加工品)が組み合わさった自動車車体部分品は、3113自動車部分品・附属品製造業に該当すると判断します(中分類31輸送用機械器具は対象外となります)。
- 当社はプレス加工した製品を、溶接や機械加工等を施し、自動車用のシートフレームを製造しています。日本標準産業分類245金属素形材製品製造業に該当しますか。
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該当しません。245金属素形材製品製造業(2451・2452)は自動車等の機械部品は打ち放しのプレス製品を対象としているため、溶接や機械加工等を施した製品の製造業は該当しません。シートフレームの製造業は、3113自動車部分品・附属品製造業に該当すると判断します(中分類31輸送用機械器具は対象外となります)。
特定技能「製造業」受入れ協議会への加盟
特定技能「製造業」で外国人を受け入れる場合、あらかじめ、特定技能「製造業」受け入れ協議会という団体に加盟しなければなりません。
この加盟申請時に、自社が特定技能を受入れることができる事業所かどうか審査され、協議会に加盟できて初めて特定技能外国人のビザ申請をすることができるのようになっています。
なお、申請時には以下PDFの「入会申し込み証明書類」を提出する必要があり、自社の製品が何を製造しているか正確に記載する必要があります。
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