特定技能外国人を雇用するまでの流れ

特定技能外国人を雇用するためには、他のビザと異なり、非常に複雑なステップを踏まなければなりません。

タスク内容
①業務内容の要件確認「特定技能」で認められた業種、業務内容かどうかを確認します。
②事業所の要件確認雇用する事業所が、「得意技能」外国人の受け入れ要件を満たしているか確認します。
③人材の要件確認「特定技能」として雇用できる人材の要件を確認します。
④人材の募集ビザの種類を明記した求人票を作成し、人材を募集します
⑤内定面接実施後内定を出し、内定受諾後、ビザ申請の準備に入ります。
⑥協議会への加入ビザ申請前に各分野の協議会に加盟します。
⑦ビザ申請受入企業、外国人双方から必要書類を収集し、出入国在留管理庁へ入管申請をします。許可が降りるまで3〜4ヶ月かかります。
⑧就業開始許可後、就労を開始します。
⑨各種届出就労後は、各種届出をします。(日本人と同様の届出、外国人特有の届出があります。)
⑩各種報告3ヶ月一回、入管に就労状況の報告などを行います。

受け入れ企業の要件

全ての企業が、特定技能外国人を雇用できるわけではありません。法令で定められた要件を充足する企業だけが受け入れることが可能となっています。

12の特定産業分野であること

特定技能は、人手不足が深刻な12の業種にのみ受け入れが許されている制度であるため、当業種の企業しか受け入れができません。

受け入れ企業が満たすべき要件

具体的な受け入れ企業の要件は、以下のとおり大きく3つあります。(1)、(2)は普通の企業であれば満たしていると思われますが、(3)については、これまで外国人を雇用したことがある企業でなければ難しい要件となっています。

しかし、この要件を満たさなくても、「登録支援機関」という、支援業務だけを切り取って行う民間企業に委託することで、特定技能外国人を受け入れることが可能になります。

(1)受け入れ機関の要件

労働、社会保険及び租税に関する法令を遵守していること

1年以内に特定技能外国人と同種の業務に従事する労働者を非自発的に離職させていないこと

1年以内に受け入れ機関の責めに帰すべき事由により行方不明者を発生させていないこと

④ 欠格事由(5年以内に出入国・労働法令違反がないこと等)に該当しないこと

⑤ 特定技能外国人の活動内容に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと

⑥ 外国人等が保証金の徴収等をされていることを受け入れ機関が認識して雇用契約を締結していないこと

⑦ 受け入れ機関が違約金を定める契約等を締結していないこと

⑧ 支援に要する費用を、直接又は間接に外国人に負担させないこと

⑨ 労働者派遣の場合は、派遣元が当該分野に係る業務を行っている者などで、適当と認められる者であるほか、派遣先が①~④の基準に適合すること

⑩ 労災保険関係の成立の届出等の措置を講じていること

⑪ 雇用契約を継続して履行する体制が適切に整備されていること

⑫ 報酬を預貯金口座への振込等により支払うこと

分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

(2)雇用契約の要件

① 分野省令で定める技能を要する業務に従事させるものであること

② 所定労働時間が、同じ受入れ機関に雇用される通常の労働者の所定労働時間と同等であること

③ 報酬額が日本人が従事する場合の額と同等以上であること

④ 外国人であることを理由として、報酬の決定、教育訓練の実施、福利厚生施設の利用その他の待遇について、差別的な取扱いをしていないこと

⑤ 一時帰国を希望した場合、休暇を取得させるものとしていること

⑥ 労働者派遣の対象とする場合は、派遣先や派遣期間が定められていること

⑦ 外国人が帰国旅費を負担できないときは、受入れ機関が負担するとともに契約終了後の出国が円滑になされるよう必要な措置を講ずることとしていること

⑧ 受入れ機関が外国人の健康の状況その他の生活の状況を把握するために必要な措置を講ずることと していること

分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

(3)支援体制の要件

① 以下のア・イ・ウのいずれかに該当すること

ア 過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の受け入れ又は管理を適正に行った実績があり、かつ役職員の中から、支援責任者及び支援担当者(事業所ごとに1名以上。以下同じ。)を選任していること(支援責任者と支援担当者は兼任可。以下同じ)

イ 役職員で過去2年間に中長期在留者(就労資格のみ。)の生活相談等に従事した経験を有するものの中から、支援責任者及び支援担当者を選任していること

ウ ア又はイと同程度に支援業務を適正に実施することができる者で、役職員の中から、支援責任者及び支援担当者を選任していること

外国人が十分理解できる言語で支援を実施することができる体制を有していること

③ 支援状況に係る文書を作成し、雇用契約終了日から1年以上備えて置くこと

④ 支援責任者及び支援担当者が、支援計画の中立な実施を行うことができ、かつ、欠格事由に該当しないこと

⑤ 5年以内に支援計画に基づく支援を怠ったことがないこと

⑥ 支援責任者又は支援担当者が、外国人及びその監督をする立場にある者と定期的な面談を実施することができる体制を有していること

分野に特有の基準に適合すること(※分野所管省庁の定める告示で規定)

分野に特有の基準とは

各要件の最後に、「分野に特有の基準」とありますが、特定技能として受け入れることができる12分野でそれぞれ個別の要件が定められております。詳細の説明は、各分野の記事で説明いたしますが、概ね以下のとおりです。

分野に特有の基準

特定技能は使いにくい?

以上のとおり、特定技能外国人を雇用するためには、非常に面倒な要件をクリアしなければなりません。自社がこの要件をクリアしているかも分からないと思います。さらに、協議会への加入やビザ申請の手続きの際には膨大な資料を作成しなければならなくっています。

しかし、これまで認められてこなかった、分野や作業で外国人を雇用することができる数少ない在留資格となっていますので、人手不足を解消する大きな武器になることは間違いありません。

実際に、特定技能外国人は増加傾向にあり、令和6年5月末では、約24万人の外国人が「特定技能」として日本で就労しています。

特定技能についてもっと知りたい

特定技能の制度は非常に複雑な制度となっているので、初見で理解するのは非常に難しいです。そのため、受け入れを諦めている企業さまも多いのではないでしょうか?

弊所では以下のような企業さまのために、無料で制度説明、要件充足の確認をさせていただいております。

全てのビザを理解した行政書士だからこそできる提案があります。ぜひお問い合わせください。

無料相談

①特定技能について知りたい

②特定技能外国人を雇用できるか確認して欲しい

③登録支援機関を紹介して欲しい

④登録支援機関を使わずに特定技能外国人を雇用したい

⑤登録支援機関になりたい

当事務所に問い合わせるメリット

特定技能について興味のある企業さまの中には、要件を充足していない企業さまも多くございます。登録支援機関や外国人材紹介会社に問い合わせた場合、要件を満たしていない企業様は残念ながら相手にされません

しかし、ビザの専門家である当事務所にお問い合わせをいただいた場合、仮に特定技能での受け入れができない場合にも、外国人を受け入れる他の方法をご提案させていただきます。

外国人を雇用する際には、犯罪に巻き込まれないように注意しなければなりません。悪質な人材派遣会社に依頼してしまった場合、本来働くことができない在留資格しか持っていない外国人が派遣されることもあります

その場合には、「不法就労助長罪」で罰せられる可能性もあり、この罪は、「知らなかった」では言い逃れができない罪になっています。犯罪に巻き込まれないためにも、ぜひ、ビザの専門家である当事務所にお問い合わせください。

ご依頼の流れ

とりあえず話を聞きたいという企業さまも大歓迎です。雑談ベースでお問い合わせいただくことが多いので、外国人雇用のほか、相続や離婚の相談になることも多々ございます。法律に関する幅広い知識を有している、行政書士だからこそできる無料相談です。ぜひ一度お話を聞かせていただければと思います。

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